看護管理者の種類と役割を解説

看護管理者には、看護部長、看護師長、看護主任の3種類があります。

看護部長は、院長や理事から成る病院の経営陣の1員で、看護部を統括する重責を担います。看護部長は、看護目標達成のため、業務計画や予算案の作成に携わり、看護師の教育や人材登用に関する方針を打ち出して、具体的指示を出します。経営者として、外部との交渉を行ったり、院長や事務長に看護師側の主張や提案を申し立てたりすることもあるでしょう。看護部長は、看護師として職場内の地位が最も高く、看護の方針や内容に大きな影響力を持ちます。

看護師長は、経営陣と現場のパイプ役として重要な役割を果たします。現場の声を汲み取り、経営陣たる看護部に伝えて看護師の勤務環境を改善する責務を担うのです。看護部が作成した看護計画や方針に従って、看護師の育成や看護目標の達成を目指すことも、看護師長の仕事です。また、個別の看護師の心身の状態を把握し、勤務に支障がないよう配慮しなければなりません。看護師の不具合に気付かないと、医療過誤につながるおそれがあるからです。

看護主任は、現場のリーダー的な存在で、看護師の勤務交代表を作成したり、看護学生や新人の教育を担当したりします。通常の看護業務と兼務するため、役職の仕事と両立させる上で苦労することもあるでしょう。そこで、現場では看護主任の夜勤回数を減らすなどの救済策を講じています。以上のような看護管理者になるには、一定の勤務経験が必要です。一般的に、看護部長は20年、看護師長は15年、看護主任は10年以上の実務経験を求められると言われています。